製品は移動体(車や電車など)に設置されたり、持ち運びができたりと
多くの場合が何らかの振動を受ける環境にあります。
今回は前回ご紹介した、恒温槽試験と同じ環境試験より、振動試験をご紹介いたします。
振動試験は、製品へ振動を与えて影響を調べる試験です。
振動により、装置の誤作動やねじのゆるみ、見栄えの悪化などが起きないかを調べます。
製品のライフサイクル上で、機能を損なったり、故障しないためにも、製品の設計・実験・検査の各段階で、使用時の振動や衝撃などの環境負荷に耐えられるかを検査・評価します。
一般的にあまり知られていない試験ですが、製造業を支える不可欠な評価手段として、需要な役割を担っています。
日本工業規格(JIS)に規定されている振動試験方法としては、
など多数存在します。
ただしこれらの規格は、振動条件(振動数・変位・速度・加速度・加振時間等)を明確に確定した記載が行われていないことも多く、参考値・推奨値や指針という形で記載されていることもあります。
そのため、個々の製品・部品に対して、振動条件の具体的な設定や振動試験を行う側が決定しなければならないことがよくあります。
また、振動試験の規格には、JIS規格のほかにIEC(国際電気標準会議)規格、ASTM(米国材料試験協会)規格、MIL規格(アメリカ国防総省が制定した物資調達規格)などの規格もあり、これらの規格を選定することも可能です。
振動試験を行う製品や部品が、実際にはどのような振動条件環境下に置かれるかを想定し、試験を行う必要があります。
お馴染みの路側情報伝送装置(ERICE)の正弦波振動試験の様子がこちら
ERICEも高速道路の路側に設置されるため、振動を受ける環境にあります。
東洋電装ではこういった試験を経て、安心して使用できる製品を提供できるよう努力しております。