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コラム

防水試験について

制御盤などは製品によって、規格や仕様などが細かく決められていることに加え、お客様により安全に使っていただくためにも、出荷前の検査(試験)はとても重要です。
東洋電装では検査チームが結成されており、しっかりと検査(試験)を行い製品をお客様のもとに送り出しています。

今回は防水試験についてご紹介していきます。

防水試験とは

屋外に設置する制御盤は、雨風に常にさらされるので、水の侵入の対策が求められます。
制御盤に水をかけて内部に水が浸入しないか確認します。

指示された保護等級を満たしているかを検査していきます。

① 水をかけて
② 侵入していないか確認

保護等級とは

ここでの保護等級は、電気機械器具の外郭による保護等級(JIS C 0920)というもので、
規定されている保護等級やそれに付随する付加的事項をコード化したIPコードで表されます。

IPコードは、身近にあるスマホなどでもIP67みたいな表記がされていたりしますが、
防水性能に関する等級は、IP67でいうと、7の方、第二特性数字といわれる方で見ていきます。
防水での等級はIPX0~IPX8で表され、その内容は下の表のようになります。

等級 程度 試験内容
IPX0 保護なし 試験なし
IPX1 上から鉛直に落ちてくる水滴
による有害な影響を受けない
1mm/分の降水量を10分間
IPX2 鉛直より15度からの水滴
による有害な影響を受けない
3mm/分の降水量を15度に傾けた4方向から各方向2.5分間
IPX3 鉛直より60度からの水
による有害な影響を受けない
【オシレーティングチューブの場合】
鉛直から±60度の角度で往復運動。
1往復約4秒を5分、90度回転させて同様に5分計10分間
【散水ノズルの場合】
10ℓ/分の放水を鉛直から60度で1m²につき1分最低5分間
IPX4 鉛直より180度からの水
による有害な影響を受けない
【オシレーティングチューブの場合】
鉛直から±180度の角度で往復運動。
1往復約4秒を5分、90度回転させて同様に5分計10分間
【散水ノズルの場合】
10ℓ/分の放水を鉛直から180度で1m²につき1分最低5分間
IPX5 水の直接噴流
による有害な影響を受けない
直径6.3mmのノズルで2.5~3mの距離で
実際に水がかかるおそれのあるすべての方向から
12.5ℓ/分の噴流を1m²につき1分最低3分間
IPX6 強い水の直接噴流
による有害な影響を受けない
直径12.5mmのノズルで2.5~3mの距離で
実際に水がかかるおそれのあるすべての方向から
100ℓ/分の噴流を1m²につき1分最低3分間
IPX7 規定の圧力と時間、
一時的に潜水しても影響がない
高さ850mm未満は最下端から水面までが1m、
850mm以上は最上端から水面までが150mmのタンクへ30分間
IPX8 潜水状態での使用が可能 内容は協議による。

JIS C 0920 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード) 日本産業標準調査会 参照

制御盤の保護等級

保護等級はそれぞれどういったところで使うかということを想定した程度が設定されています。

制御盤の試験でよく使われるのは、IPX3~IPX5

  • IPX3は降りしきる雨
  • IPX4は車道脇でおこる水の跳ね返り
  • IPX5はトンネル内などでのスプリンクラーや消防車等による放水

という想定で設置する場所に応じた等級が求められています。

どんなところに設置されるものか、なんとなく想像できますね。
そういった場所でも、安心して使えるかどうかチェックするのが、防水試験です。

おまけ

今回触れなかった、IP67でいうと、6の方、第一特性数字といわれる方は、防塵に関する内容になります。
こちらについては、またの機会にご紹介します。

次回も検査試験についてご紹介していきます。お楽しみに

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