制御盤といえば“金属で出来た箱”というイメージがありますが、実は筐体が樹脂でできている制御盤もあると知っていますか?
「鋼材の種類について」でご紹介した内容と同じように、制御盤に使われる樹脂にも色々な種類があり、使用用途によって材質を選んでいます。
今回は、制御盤と関係のある樹脂についてご紹介します。
ABS樹脂は最も汎用性の高い樹脂で、丈夫で加工しやすく、塗装しなくとも表面がキレイなのが特徴です。
しかし耐候性(工業製品が太陽光・温度・湿度・雨などの屋外環境に耐えられる性質であること)が低いので、屋外での利用には向いていません。
制御盤では、筐体に使用されていることがあります。
FRP樹脂は、ガラス繊維でプラスチックを強化した素材です。
弾力がなく割れやすいプラスチックのベースにガラス繊維を使い、薄くとも強度と弾力性を持たせています。
耐候性に優れており、紫外線や雨の影響はほかのプラスチックに比べて少ないです。
制御盤では、筐体に使用されていることがあります。
ポリカーボネート樹脂は、高い透明性・自己消火性とプラスチック中最高の耐衝撃性をもつプラスチックです。
耐候性も高いので、屋外での利用も可能です。
ガラスの代わりに制御盤の扉や内部の計器を確認するための覗き窓などに使われていることがあります。
ポリ塩化ビニルは、塩ビとも呼ばれるなじみ深いプラスチックのひとつです。
ほかのプラスチックに比べて安価で、加工性に優れているため、私たちの身の回りでよく使われています。
また、絶縁性・耐電圧性に優れているため、制御盤へのケーブルの入線口のカバーに使われています。
アクリル樹脂はプラスチックの中でも特に耐久性に優れ、美しい透明性を保ったプラスチックです。
その強度と高い透明性から、水族館の水槽にも使われています。
ポリカーボネートと似ていますが、透明性はアクリル樹脂が上。耐衝撃性は、ポリカーボネートが上です。価格もポリカーボネートが高いです。
制御盤の銘板(名称や形式を書いた表示板)によく使われています。