制御盤の検査の種類
制御盤が完成したら、出荷する前に、ちゃんと設計図・仕様書通りに出来上がっているか検査します。
制御盤の寸法や色などの外観や構造の確認、正常に動くかどうかの確認、防水性の確認など、たくさんの品質チェックをクリアしないと出荷することができません。
今回の豆知識では、制御盤を出荷するためにクリアしないといけないたくさんの検査をご紹介します。
※制御盤により必要な検査と、そうでない検査があります。
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- 制御盤の寸法が図面通りか確認します。スケールやノギスを使って計測を行います。
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- 制御盤の角が直角に作られているか確認します。直角定規や隙間ゲージを使って計測します。
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- 膜厚とは、塗装の厚みのことを言います。
膜厚検査では、指示通りの膜厚かどうかを確認します。
制御盤の膜厚検査では、膜厚計を使って、膜厚を測定します。
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色差計による塗装色検査
- 色差計を使い、制御盤の色がお客さまの指定の色と合っているか確認します。
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光沢計による光沢度検査
- 光沢計を使い、制御盤のツヤがお客さまの指定と合っているか確認します。
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構造試験
- 制御盤の構造を確認します。
図面通りに機器や銘板などが正しく配置されているか確認します。
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- 絶縁区間に試験電圧を加えて漏れ電流を測り、絶縁破壊が起こらないことを試験します。
- ※絶縁破壊とは
- 雷サージや高すぎる電圧が加わることで起こる、絶縁体の絶縁性能が破壊され、絶縁状態が保てなくなること。
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- 絶縁区間に試験電圧を加えて抵抗値を測り、絶縁不良がないことを確認します。
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シーケンス試験
- 機器の単体での動作試験を行い、図面通りの動きであるか、客先思想と合っているか、想定外の動きをしないかなど確認します。
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模擬試験
- スイッチやランプなどがたくさんついた、模擬試験装置を使い、現地での環境を模擬的に再現し、他設備との連動試験を行います。
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- 屋外に設置する制御盤は、雨風に常にさらされるので、水の侵入の対策が求められます。制御盤に水をかけて内部に水が浸入しないか確認します。
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防塵試験
- 制御盤の防塵性を確認する試験です。
制御盤は塵やほこりが舞う過酷な環境で使用されることもあります。
防塵試験では、制御盤が受ける塵やほこりの影響を模擬し、内部の機器に影響があるような塵埃の侵入がないことを確認します。
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耐候試験
- 耐候性試験とは自然環境による劣化への耐性を短時間に評価するために、太陽光に近似した人工光源の照射を行い、断続した水の噴射を行う試験です。
太陽光・温度・湿度・降雨などの条件を人工的に再現し、劣化を促進させ、いち早く制御盤の寿命を予測することを目的としています。
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振動検査
- 制御盤に振動を与え、輸送又は運用中の振動が制御盤に与える影響を評価します。