キリと聞くと、手でくるくる回して木材に穴を開ける工具を思い浮かべると思います。
ですが、ここでのキリとは、「ドリル」のことを指します。
ドリルは、木材や金属、プラスチックなどさまざまな材料に対し、穴開けやネジ締めなどの多様な作業を行うことができる工具です。
タップは金属加工工具の一種で、穴の内側にねじを刻むために用いるものです。
「めねじ」を作る方法は、ほかにも旋削・フライス・放電加工などがありますが、こうした加工方法に比べると、タップは安価で簡単にめねじ加工が行えるという点ですぐれています。
タップでネジ穴を加工することを”タップを立てる”といいます。
これを使うと、部品に直接ネジ穴を加工できるので、ナットが不要になります。
分解する必要がある部分のネジには、タップを立てると便利です。
開けるネジのサイズによって、開ける穴のサイズが決まっています。
ネジのサイズに対して小さすぎる穴を開けるとタップが途中で動かなくなってしまいます。逆に大きすぎるとガバガバでネジ山が切れません。
下穴は垂直になるように気を付けて開けます。
下穴が斜めだと、タップが折れてしまうことがあります。
タップをタップハンドルに取り付けます。
このとき、油を付けるのを忘れずに。
油をつけると、タップがスムーズに動き、また鉄くずの目詰まりを防ぎます。
タップを穴に垂直に立てて、押しつけながら回して、ネジを噛ませます。
ここで斜めになってしまうと、穴が垂直でも、斜めのネジが出来てしまいます。
噛ませるのに成功したら、タップを回しながらねじ込んでいきます。回転が重たいときは少し反対に回しながら、最後まで通します。無理に回し続けるとタップが折れてしまうことがあります。
制御盤製作では、ダクトやDINレール、機器を取付けるためにタップを切る作業を行います。
中板にタップを切り、部品を取付けます。
重量のあるものを取付ける場合は、ボルトナットで取り付けを行います。