制御盤の塗装について
制御盤は一般的に、錆や劣化を防ぐために塗装をする必要があります。
しかしすべての盤に塗装が必要なわけではなく、錆に強い材質を使う場合など、塗装をしないこともあります。
なんで塗装するの
盤に塗装が必要なのにはいくつか理由があります。
- 装飾性を高めるため
- 錆防止
- 腐食防止
- 塩害対策
- 紫外線対策
- 貼り紙防止
など
制御盤は屋内や屋外、海の近くや市街地など、様々な場所に設置されます。
周辺環境から内部の機器を守るために、塗装を施すことは必要不可欠なのです。
どんな塗装方法があるの
盤を使用する環境によって、塗装方法や塗料の種類などの求められる仕様が違ってきます。
- 焼付塗装
- 焼付塗装は一般的な制御盤で最も使用されている塗装です。
焼付塗装で使用する塗料の多くは塗布する前は液体状であり、乾燥することで硬化して塗装皮膜が作られます。この乾燥工程において、熱を加えることにより処理を行うことを焼付塗装といいます。
焼付塗装は乾燥時間が短縮できるほか、密着性や耐候性に優れているという特徴があります。
- 紛体塗装
- 紛体塗装は、粉状の塗料を直接金属に吹き付ける塗装です。「パウダーコーティング」とも呼ばれるように、塗るというより細かい粒子を金属に付着させるといったイメージです。
塗料は静電気の力で金属にくっつきます。その後オーブンで加熱(焼き付け)されて均一な塗膜が形成されます。紛体塗装は、有機溶剤を使用していないことから人体にも環境にもやさしい塗装といえます。
近年、環境負荷への考慮などからニーズが増えている塗装方法です。
どんな塗料があるの
- メラミン樹脂
- 安価で仕入れやすく、一番よく使われる塗料です。
色や艶、模様などについて選べる幅が広いので、屋内で使う製品などではこの塗装の指定がかなり多いです。屋外でも一般的環境ではよく用いられています。
- エポキシ樹脂
- エポキシ樹脂はさまざまな特性を活かし接着剤や結合剤などものづくりの分野で多用されている素材です。
分子量によって液体から固体まで成形することが可能です。
エポキシ樹脂は薬品や酸に強く、塩害対策として制御盤の下塗り塗料としてもよく使われます。
- ウレタン樹脂
- 屋外使用での劣化に強い樹脂です。
木製や塩ビ製素材、鉄部に適した塗料であり、この3つの素材への塗料として使用される事が多いです。また、木製外壁材や雨どい、フローリング等の木製建材、木製建具等にも使用されます。耐塩害塗装・重耐塩害塗装用に使われます。
制御盤の塗装方法や塗料の種類には様々ありますがそれぞれに特徴があり、用途に合わせて選定されているんですね。