一般的に制御盤には鋼ステンレスアルミの3つの金属素材がよく使われています。
これらの金属素材を母材と呼び、加工、メッキなどの処理を施すことで強度や耐食性を持たせ、制御盤に使用できる鋼材になります。
鋼材にはそれぞれに厚みや素材、形状などに違いがあり、適した部分に使われています。
鋼とは鉄と炭素の合金のことです。
「鋼」を母材にして加工しているものには0.4~3.2mmの厚さの冷間圧延鋼板(SPCC)や
1.2~14mmの厚さの熱間圧延鋼板(SPHC)、SS400などがあります。
ステンレスとは鉄とクロムの合金のことです。
「ステンレス」を母材にしている鋼材は「鋼」よりも強度が強く、耐食性に優れています。
SUS304(別名18Cr-8Ni、18クロムステンレス)などがあります。
アルミを母材に使っている鋼材は「ケーブル導入口」に使われることが多いです。
材質が軽くて錆びにくく、穴をあけるなどの加工にも適しているからです。
これらの母材を使って以下のような鋼材にしています。
道路脇にある制御盤には、熱間圧延鋼板にさらに亜鉛でメッキをして錆に強くしているものを使っています。
主な理由は冬に凍結防止剤(塩化ナトリウム)を撒く為、耐塩性が必要だからです。
亜鉛でコーティングすることを「溶融亜鉛メッキ」と言います。
溶解亜鉛メッキを施したものにはHDZ35~55までの記号で付着量(g/m2)や平均メッキ膜圧(μm)などを規定しています。
制御盤は設置場所の屋内外や直射日光の当たり具合、雨が当たりやすいかどうか、
海が近いか、温度、湿度など様々な外部環境に対して中の機器を守るために適した鋼材を使用しています。